稚児ヶ池公園南側広場

ゆったり時が流れる堤防の公園

今から600年前の1428年。決壊を繰り返す堤から町を守るため、長千代丸という少年が自ら人柱になって建設されたと伝わる堤防。溜め池は「稚児ヶ池」と呼ばれ、今も大切に使われ続けている。そんな伝説のある堤防だが、以前は歩車混在の危険な道路であった。周辺道路整備に合わせて、堤防を園路の一部として生まれ変わらせた。
一体は宮崎県の鳥獣保護区に指定されていて、カワセミをはじめ様々な野鳥が訪れる。また、国指定史跡・日向国府跡に隣接しており、記紀の道の入口にもあたる。大型バスも停められる駐車場やトイレも備え、回遊拠点としても機能する。
千年前は、日向の国の中心地だったこの場所。歴史と自然のなかに身をおき、ゆったりとした時の流れを感じられる空間を目指した。

稚児ヶ池公園南側広場
所在地:宮崎県西都市三宅
供用開始:2022年4月
基本設計:EAU 実施設計:共同技術コンサルタント 設計監理・工事監理:EAU/みちくさ設計事務所 監修:西都市歴史を生かしたまちづくり推進委員会

受賞・掲載:日経コンストラクション2022年9月号「土木のチカラ」

関連プロジェクト:記紀の道映画「みちのみちのり」