旧山陽道・萩往還

旧山陽道・萩往還

その名の通り、周防国府や防府天満宮が置かれ、古代から中心地として栄えてきた防府。江戸期には瀬戸内と萩を結ぶ拠点として栄えた三田尻港があり、幕末から明治にかけては志士たちが駆け抜けた。古代から現代まで、歴史の局面ごとに重要な役割を担った地域である。
旧山陽道・萩往還は、防府天満宮付近で重複区間となていて、もともと幅員6mであったのを都市計画道路として16mに拡幅されていた。その状況を逆手に取り、歩行者空間の創出を考えた。車道は白線間隔4mの相互通行とし、広い歩行者空間を確保。縁石や段差は一切設けず、地被類の植栽帯のみで歩車を緩く区切る。
ゆったり歩ける歩行者空間では、車道を止めることなくイベントを開催することもでき、街の回遊性が高まる仕掛けづくりにつながっている。

旧山陽道・萩往還*
所在地:山口県防府市松崎
供用開始:2020年4月
景観設計:EAU 交通計画:モビリティデザイン工房 実施設計:古川コンサルタント 監修:防府市旧山陽道・萩往還整備計画デザイン策定委員会

受賞・掲載:日経コンストラクション2019年4月27日号「土木のチカラ」